【Jリーグ】悲壮な決意で最後のアピールを見せる小笠原満男 元川 悦子
http://www.jsports.co.jp/press/column/article/N2010042513214402.htmlアジアチャンピオンズリーグ(ACL)は1次リーグで5戦全勝しているものの、Jリーグでは最近3試合未勝利で足踏み状態だった
鹿島アントラーズ。24日の第8節は横浜F・マリノスとの対戦だった。
かつてイタリアでプレーした中村俊輔と小笠原満男の直接対決がメディアを賑わせていたが、
小笠原の方は「ボクシングじゃないし、2人で戦うわけじゃないからね」と軽く流していた。
司令塔対決以上に注目されたのが、日本代表メンバー23人の残り数枠を巡る戦い。
横浜には栗原勇蔵、山瀬功治、鹿島には小笠原、岩政大樹といった微妙な選手たちがいる。
「マリノスには中澤(佑二)さんがいる。自分が超えなければいけない存在。
彼に日本のディフェンスラインがおんぶに抱っこじゃいけない。そういう意味でも意識する人。
自分はチームで結果を残し続けることしかできない」と岩政は話していたが、彼らはそれぞれ複雑な思いを抱えてピッチに立った。
試合は鹿島がJリーグ3連覇中の王者らしい戦いぶりを見せた。前半こそ先制しながら同点に追いつかれるなど攻守両面に不安定さを感じさせたが、
後半は足元でつなごうとする横浜攻撃陣からボールを奪い、マルキーニョスと興梠慎三の速さを生かして点を取りに行くスタイルがうまく機能した。
圧巻だったのが小笠原が挙げた後半6分の2点目。右サイドで内田篤人→マルキーニョス→内田→野沢とパスがつながり、
野沢のパスを中央へ移動したマルキーニョスがボールを受けて、ペナルティエリアをえぐって中へ折り返す。
次の瞬間、興梠が滑り込んでDFをひきつけ、ファーサイドにフリーになった小笠原が決めるという形だったが、
普段は滅多にゴール前に上がらないボランチの一瞬の戦術眼がキラリと光った。
「中でセンターバックがつり出されて薄くなっているのが見えた。あんまりゴチャゴチャしてたら行かなかったけど、
空いたんでね」と彼はさらりと言ったが、その判断が実に見事だった。
栗原も「あそこに出れば点数が取れると分かっていて出てきた。1回しか出てこないのに決めてくるのがすごい。そういうところが鹿島との差だと思う」と脱帽していた。
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